パーツを合わせた、手編みでしか成し得ない異素材ミックスニット

どこか懐かしさ漂うニットカーディガン。温もり感じる1着は、シルクとカシミアシルクのそれぞれのパーツを組み合わせたもの。特にシルクの部分は全て手編みで、現代では敬遠されることの多い手間暇をかけて実現した。

異素材のパーツを一つに繋ぎまとめるアイディアは、SOKOが持っていた古着がインスピレーション。過去には香港などでこのような手編みを用いたニット製品が作られていたと言われているが、時を経ても、機械で全てを編めるわけではなく、現代でも手編みが必要で職人の技術なくしては完成しない。

SOKOは今回2つの素材を合わせることで「ふんわりヘアリーな印象のカシミアシルクと、フラットで艶のあるシルクという、2素材のギャップによる面白さも打ち出したい」と考えた。2素材の繋ぎ役でもあるシルクの手編み部分は、鉤針による長編みを微細にアレンジしたもの。一般的な長編みでは目が詰まりすぎるため、広がりを持たせカシミア部分とつなぎ合わせやすくするためだ。すべてをつなぎ合わせカーディガンに仕上げる役割を担うため、編み上げるまでの総時間は50時間にものぼる。

着心地の良さを大切に上質な素材を用い、異素材が織りなすユニークさを表現。さらには現代では見られなくなった手法を復活させたSOWERらしい希少なニットが完成した。カーディガンとしてのシルエットは、現代らしさを感じる長めの袖丈でモダンな服へと昇華。手編みの温もりを存分に感じられる2種によるミックスニットは、冬の装いにクラフツマンシップを感じさせる、あたたかさを提供する。